牛尾院長の新着コラム&お知らせ



知人から信州のお土産に「いなごの佃煮」をいただきました。
見たことも食べたこともない子どもたちは興味しんしん、お土産をひと目見ようと跳んできました。しかし、ビニール袋を通してその姿を目にしたとたん、飛びのきました。彼らにとって虫を食べるなどということは、予想もできない出来事なのです。気持ち悪いといって、ついに口にしませんでした。
他の者にもその姿、食感、味が受け入れられず、最初の一口でギブアップ。
印象は、「不潔そう、不気味、怪獣、口中がイガイガして味・食感が悪い‥‥‥」だそうです。
▼私は見た瞬間、六十数年前のあの頃にフラッシュバックしました。
稲の刈り取りを迎えるころの田んぼの畔(あぜ)に一歩足を踏み入れると、足元からいっせいに、いなごが飛び立ちました。
わが家ではいなごを食べるとき、母はフライパンで炒(い)り醤油などで味付けをしていたように思います。食卓にはいつも、おかずの一品として上っていました。食糧不足の当時、全く抵抗もなく当たり前に食べていたことを思い出します。しかし、今食べてみると美味しいという感じは受けませんが、私は毎回この懐かしい味をご飯に添えていただいています。
戦前戦後といえば三度三度のご飯にもありつけない状況の中で、タンパク質、ミネラルに富むいなごは、貴重な栄養源でした。
しかし、当時全国で食べられていたいなごも、今では長野と東北地方で食べられているだけだそうです。
このいなご、地域によっては、オカエビと呼んでいるところもあるそうですが、確かにエビに似た食感と味をもっています。
▼いなごは、秋の季語です。俳人の金子兜太は、その説明の中で「稲の害虫。炒(い)ってつけ焼きにしたり、佃煮にして食べても美味しい」としています。
また、信州では今も給食にいなごが登場しているそうです。
さらに、信州のホテルのコマーシャルにはこんな説明がありました。
「皇室ゆかりの信州の老舗から美味しいいなごの佃煮をお届け 150g 3,999円 グルメとしても知られた昭和天皇も絶賛された本場信州のいなご」
▼いなごに対する今の子どもたちの反応、それに大人の反応。
これを美味しいとした金子兜太の受け止め方。
グルメ昭和天皇の絶賛。
食は時代を映す鏡。あまりにも大きなその変わりように驚かされます。
Copyright(c)2008-2009 姫路近辺をエリアとする整体気功院 All Rights Reserved .